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さよなら、ギャシュリークラム

遺書を書かされています

『Gの収束点』

私小説、あるいは

徹夜明けのまだ空に暗みがかかってる頃、僕は欠伸を繰り返しながらも国道に車を走らせる。夕方から夜にかけて、世界が黒くなっていく瞬間より、夜と朝の狭間に包まれる時間帯の方が、意識がぼやけがちだななんて思う。単にライトを消すタイミングを決め兼ねているだけだ。ただ、白みを帯びつつある空を見上げては、人間が目を覚ますのと似ているなと呟いてみる。まだ眠っていたい心と反対に、体は心臓の鼓動を認識し、ややあって視界は光を受け入れ始める。初めは靄がかかったような網目状から、徐々に鮮明に、汚れた天井の節目が見えてくる。朝の空気は鼻腔を擽り、やがて肺を満たしていく。死に近い状態から、生命活動をオンにしていく。

タイヤに負荷がかかったようで、車が強く上下する。いつの間にかアスファルト舗装が引き剥がされた砂利道に侵入していた。ハンドルが持って行かれるような感覚を覚え、息を吐き出した。皆が生き返るはずの時間に、一人孤独に死んでしまうところだった。

鼻で笑う。

太陽の存在が東の空に灯り始めたのを確認して、僕は車のライトをオフにする。今日は日曜だ。人気のない、対向車両もない早朝の国道を走り切ったら、ゆっくり死んでみるとしよう。