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さよなら、ギャシュリークラム

遺書を書かされています

「考察する肢体」

 旧四号線上、カラスが轢かれた何かの屍体に群がっていた。
 パッシングを繰り返すもふてぶてしい様子で彼奴等は避けようともしない。
 人間如きの運転する鉄の塊が、まさかそのまま突っ込んでいくことは有り得ないと思っているのだろう。
 とりわけ、カラスはとても利口だと聞く。訓練すれば、人間の言葉を話せるようになるとか。
「訓練すれば、人間の言葉を、か」
 傲慢な響きだ。結局人間様が上であるとその一文が証明してるじゃないか。
 ふと、市内の公園でカラスの死体を見た日のことを思い出した。
 学校帰りの子どもたちがよく遊んでいる公園だった。
 見て見ぬふりも出来ないのですぐに市役所に連絡をしたが、片付けられたのは翌朝だったっけな。
 優秀であれ、呆気無く死んでしまうんだ。……高をくくって生きるのも自由だけどな。
「俺が死んだらお前の子どもにでも突付かせてやるさ」
 鼻で笑いながら、ぎゅっとアクセルを踏み込んだ。